お役立ちコラム

【補助金】難易度・記述粒度の推定

2025年01月07日 09:39

初めての補助金にトライする場合は、採択されるか採択されないかといった経営的判断を行う上で、その補助金の難易度や記載する情報粒度(どの程度まで具体的に記載していくか)を事前に推定する必要があります。

そして、その補助金の難易度や情報粒度を推定する上で重要なヒントが採択率になります。


ア)採択率と難易度の関係

一般的に、採択率が低いほど、補助金の獲得難易度は高いと考えられます。これは、限られた予算枠に対して、多くの応募者が殺到するためです。逆に、採択率が高い場合は、比較的容易に補助金を受けられる可能性があります。


イ)採択率と記載事項の粒度の関係

こちらも一般論になりますが、採択率と記載事項の粒度には以下の関係が考えられます。


・採択率が低い場合: 審査が厳しく、詳細な情報提供が求められる傾向があります。そのため、記載事項の粒度は細かくなります。

・採択率が高い場合: 審査基準が緩やかで、簡潔な情報提供で済む場合があります。そのため、記載事項の粒度は粗くなります。


一方で、採択率だけでは難易度や記載粒度を判断できない要因もあります。


・認知度や競争率の激しい分野の補助金は、専門家に委託して審査書類を作成しているケースが多く、採択率以上に記載粒度が細かくなります。


・補助金の目的として事業に対しての補助であるか、省エネ等の効果に対しての補助であるかによって、審査書類の記載粒度や差別化策が変化します。


弊社が、採択難易度や記載粒度を推し量る基準を以下に示します。

①申請枠の採択率

②投資規模の適性


ーー①申請枠の採択率ーー

事業者様が、補助金申請時に欠ける視点としては、競争相手がいることです。加えて、採択率が低くなるほど微少の配点差で合否が分かれます。ここで気をつける事項としては、競争率が高くない補助金でも審査項目に沿った回答がされていない計画書は不採択であり、4割の計画書はほぼこの理由で不採択となっているということです。


一番最初に確認すべきことは、以下の判別です。

・申請した計画書が審査項目に沿った回答されているが、競争に負けている計画書か

・審査項目にも沿っていない大幅な改善が必要な計画書か


ーー②投資規模の適性ーー

これに関しては弊社の推論ではありますが、不採択時に伝えられる評点と会社の投資規模の適性が相関している可能性があります。これは持続化補助金などの比較的難易度が低い補助金でも散見される事案であります。


・年商規模と投資額の比較で適切な投資規模といえるか

・投資額を、本当に資金調達できるのか


このあたりが、審査項目に沿った評点に重み付けされている場合は投資規模が適切でないため、現状の申請枠では採択水準に到達しにくい可能性もあります。


▼弊社が過去の採択率から難易度を推定する際の難易度や記載粒度の基準は以下です。


採択率60%超  :①および②の審査基準で減点されない水準で網羅すれば概ね採択が見込めます。

採択率50%台  :2次データの活用など①について差別化できる記述粒度が必要になります。

採択率40%台  :2次データの活用など①について差別化できる記述粒度や根本的な納得感が必要になります。

採択率40%以下 :①および②について、根本ベースで納得できるか否かの判断が必要になります。

          そのため、金融機関や発注業者との協議をより煮詰めない限り、採択可能性は向上しません。